なぜ今ベトナム越境ECが注目されるのか?
なぜ今、ベトナムへの越境ECが注目されているのでしょうか?
急速な経済成長が続くベトナムに向けて、越境ECで進出しようと考える日本企業が増えています。
本記事では、ベトナムの越境EC市場が注目される理由から、ハードルを感じやすいポイント(物流インフラ・法規制・言語)などを交え、越境ECで期待が高まる理由を徹底解剖していきます。
最新版:ベトナム越境EC市場の現在
越境ECの進出先として、注目が集まっているベトナム。なぜ今ベトナムなのでしょうか?
かつての発展途上国のイメージを覆す、現在のベトナム越境EC市場について、最新情報を交えて解説していきます。
ベトナム独自の背景、だから高水準の経済成長が続く
ベトナムの2023年における実質GDP成長率は5.05%でした。2024年も第1四半期(1~3月)は5.66%と高水準を維持し、ベトナムでは好調な経済成長が続いています。(JETRO発表、前年比)
ちなみに、日本における2024年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率は-0.7%とマイナス成長。ベトナムの経済とはかなり開きがあります。
ベトナムの好調な経済成長の背景には、独自の政策が関係しています。ベトナムは以前、完全な社会主義国でした。ですが、1986年に施行されたドイモイ政策により、社会主義体制を維持しつつも緩和し、資本主義的な市場経済を導入しました。この政策により、これまでは配給制だった生活が「お金でものが買える経済」へと大きな変化を遂げたのです。
世界で資本主義経済が始まったのは18世紀のことです。資本主義が浸透し、すでに経済が成熟している他の先進諸国と比べ、1980年代に資本主義を始めたばかりのベトナムでは、残された経済成長の伸び代はかなり大きなものです。1990年以降も高い経済成長を記録してきましたが、現在も高い水準で成長を続けています。
人口1億人、平均年齢31歳。若者が成長を支えるベトナム
ベトナムの人口は約1億人で、世界で上位16位にランクインするほど多くの人が住んでいます。そして、ベトナムでは平均年齢も31歳と非常に若いのが特徴です。なかでも20歳後半の割合が高いため、その若い労働力を背景に、今後のさらなる経済発展が期待されています。
ちなみに、日本の平均年齢は48.4歳に達しており、ベトナムとは17歳以上の開きがあります。日本の人口は約1億2千万人ですが、人口全体の高齢化が進んでいるため、国全体の労働力も高齢化を迎えています。経済の成熟と労働力の高齢化により、国内経済に活気を取り戻すには大きなテコ入れが必要な状況となっているのです。
このように、日本と比較しても、ベトナムには今後も引き続き大きな経済発展の可能性があることがわかります。
5年で一気に5倍に成長、ベトナムのEC市場
急速な経済成長と若く活力のある労働力に支えられ、ベトナムではEC市場も勢いよく成長しています。
ジェトロによると、ベトナムのEC市場は2018年から2022年の5年間でなんと5倍の規模に成長しました。
その背景には、ベトナム政府がECの普及・拡大に積極的であることが挙げられます。EC取引に関する法的枠組みは2013年以降に整備され、その後も継続的に改善されています。
さらにECの発展に不可欠な電子決済も一般消費者へ急速に普及しており、2025年にはベトナムのEC取引全体の50%を電子決済が占めると予想されています。
このように、EC市場の拡大および電子決済の普及により、今やベトナム国民の日常生活にECは広く浸透し、欠かせないものになってきました。
昨今、ベトナムが越境ECの参入先として注目されている理由は、国境を越えるEC販売に好条件な市場規模・販売環境が急速に整ってきていることがあげられます。
なぜ今ベトナムなのか?越境ECユーザーの意識調査でわかる新たな可能性
急速な経済成長とEC市場の拡大が続くベトナムでは、日本の商品にも高い需要があります。
こうしたニーズの高まりから、東南アジア市場で最大級の越境ECプラットフォームShopeeでは、2024年4月より日本からのベトナム越境販売を開始しました。
Shopeeはベトナム市場において既に高いマーケットシェアがあったため、日本からの越境販売開始を待ち望んでいた企業・消費者も多かったのではないかと思います。
ベトナム市場への越境販売の開始を機に、Shopeeの日本法人、ショッピージャパン株式会社では独自の意識調査を行いました。






